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2021.01.18

Cayin C9公式アナウンスメント

Cayinは、1993年に設立され、世界でも最大規模の真空管アンプの製造メーカーの一つとして知られています。現在までに400もの製品を開発し、それらの中にはCDプレーヤーやスピーカーと言った製品も含まれています。全てのラインナップの中でもとりわけアンプはオーディオコミュニティにおいて認知されていると言えるでしょう。2013年にはC5からよりパーソナルなポータブルオーディオのラインナップを拡張させました。C5というポータブルアンプからスタートさせたのは、まさしくCayinの最も評価されてきた製品がアンプであったからです。
N8 DAPはポータブル製品における画期的な製品であると考えています。通常、製品においては価格帯、製品コスト、ターゲットなどいくつもの制約が存在しますが、N8はコストを度外視して、Cayinに何が出来るかを示すことを狙った特別な製品であると言えるでしょう。とはいえ、これが物理的、電気工学的に重要な制約を無視して出来上がった製品ではなく、むしろ開発の最終段階においては、むしろこんなことを考えるようになりました。もしも物理的な制約を考慮することがなく製品開発が出来たらと。あるいは、もっと多くのスペースやバッテリー容量、そして放熱を自由に考慮できるデザインが出来ればといったことを考えていました。しかしながら製品開発に制約はつきもので、理想から何を引き算していくか、何を残せば理想に近づけるかを綿密に考えます。いくつかのプランがありました。それは例えばC8, C8DACなど。結局、C8から開発を始め、最終的にC9を発表することが出来ました。

C9はモデル名の通り、Cayinラインナップのトップモデルです。N8の開発をスタートさせた時、”8″を使うことに決めたのは中華圏において8がラッキーナンバーとされていることによるもので、数字で表現することがモデルラインナップを可視化する方法の一つとして一般的であったからです。Cayinにとってアンプは特別であり、アンプのようなアナログの開発の全てを知り尽くしていると言っても過言ではありません。そしてC9は新しい製品ですが、非常に円熟しており、Cayinが知る限り、まさに究極のアンプと言えるでしょう。

C9の日本での正式な価格や発売日等については、別途お知らせ致します。

【Cayin C9ポータブルヘッドホンアンプの特徴】
1.音色の選択が可能:真空管とソリッドステート(トランジスタ)。疑いようもなく、C9の最も魅力的かつ最も議論され、そして最も必要とした特徴と言えるでしょう。

●オーディオ市場にはいくつかのポータブル真空管アンプがありますが、それらのほとんどはパワーが十分ではありません。そして衝撃や振動によるマイクロフォニック・ノイズという真空管独特の特性を考えると、持ち運びには非常に繊細であるがゆえに可搬性が低い製品も散見されます。一方、C9は真のポータブル真空管アンプと言えます。バックパックの中に入れたまま、あるいは手で握って歩きながら音楽を楽しむ上でそのような気難しさはありません。
●C9はKORG社製Nutubeをベースに開発されています。日本のKORG社による次世代の真空管です。これは直熱三極管で、KORG社はVFD(蛍光表示管)の技術を利用し、従来のフィラメントを置き換えることに成功しました。これによりポータブルオーディオに適用する幅が飛躍的に高まりました(サイズが小さく、必要とする電力が少なく、発する熱量が少ないことなど)。とはいえ、直熱三極管のマイクロフォニック・ノイズの問題は従来の真空管と同じ様に残るため、ポータブル製品での適用は技術的に簡単では決してありません。
●ポータブル音楽プレーヤーとしてN8 DAPはNutubeを非常に巧みに搭載したDAPと言えます。特別設計のシリコンのハウジングやサスペンション構造を開発することで、振動や衝撃等による問題を解決しました。C9はN8で培われた技術、そしてそれにプラスアルファのエンジニアリングにより実現しました。一方、N8ではNutubeを一つ搭載していたため、シングルエンド利用時のみ真空管サウンドを楽しむことが出来ました。これはまさにDAPという製品の特性上の避けられない制約によるものでした。しかし、C9では、シングルエンド及びバランス回路のどちらにおいてもNutubeをお楽しみいただけるようになっています。私達が知る限りにおいて、C9はポータブルでは最初のフルバランスの真空管ヘッドホンアンプです。
●また、ソリッドステートの重要性を無視することはありませんでした。東芝製2SK209 JFETをディスクリートのオーディオ回路においてマッチしたペアを搭載することで、Nutubeとは別の音色を気軽に楽しめるよう設計しています。



2.最先端のイヤホンやヘッドホンのためのアナログアンプ:C9はおそらく今あるポータブルヘッドホンアンプの中でも最も洗練された製品と言えるでしょう。アンプが制御において優れ、適切なボリューム管理が備わる時、パワーオーバーになることはありません。優れたパワーがあれば、インイヤーモニターでさえ別次元のパフォーマンスを発揮します。
不運にも、私達が見る限り、今市場にあるハイエンドヘッドホンアンプは全てでないにせよ、そのほとんどがフルサイズのヘッドホンを前提としており、またポータブルヘッドホンという呼称であったとしてもDACアンプとしてデジタルオーディオの技術が強調されていいます。近年のハイエンドインイヤーモニターの急速な発展を考えれば、それらのパフォーマンスを最大限活かす究極のポータブルヘッドホンアンプというマーケットがあってしかるべきだというのがCayinの考えです。特にダイナミックドライバー、平面駆動型ドライバーあるいは静電型ドライバーを備える機器のパフォーマンスを最大化することが出来るでしょう。もちろん、フルサイズヘッドホンの多くをポータブルという領域においてカバーする汎用性の高さもC9にはあります。

●現在の市場において数少ないフルバランスのポータブルヘッドホンアンプの一つ。
●デュアル・アンプオペレーション(DAO):好みに応じて純クラスAやクラスABの選択が可能。
●ディスクリートコンポーネントを使用したCayin社内のアンプ回路の独自開発。ICやオペアンプをベースとしたエンジニアリングではありません。
●LINE入力やPRE入力に適用広く出来るHigh/Lowゲインの選択が可能。クラスAあるいはクラスABのどちらのアンプオペレショーンにおいても6dBのヘッドルームがあります。多様なイヤホンやヘッドホンに適用が可能。
●高精度かつ高リニアな99ステップのボリュームコントロールシステムは4チャネルのALPS製ポテンションメーターから構成され、これには低ノイズ、低歪み抵抗のMUSES72320ラダーベースのステレオ電子ボリュームを備えます。
●ハイパワー・ポータブルヘッドホンアンプ(16-32Ω負荷時、1チャネルあたり4100mWから2600mWクラスAまたはクラスABにおいても同様のパフォーマンスです)。
●全てではないにせよ、現在ある多くのハイエンドインイヤーモニターで満足な結果が得られるようC9の設計には特別な注意を払いました。プレミアムなハイパワーアンプは経験と技術を要します。しかしヘッドホンだけでなく、インイヤーモニターの両方においてより楽しめるものにするということこそが、非常に大きな挑戦でした。


3.デュアル入力モード:通常のLINE入力の他に、C9はPREアンプ入力モード(ピュアパワーアンプモードという言い方に馴染みがある方もいるかもしれません)を備えます。この時、ボリュームコントロールをすることは出来ず、全てのステージがフル稼働する状態です。

●主要な入力方法として使用されるであろうLINE入力時にはDAP、DAC、あるいは他の信頼できるオーディオソースからのLINEレベルの出力からオーディオ信号を受け取ります。
●PREアンプ入力モードは可変レベル入力(プリアンプや可変レベルラインアウトを備えるDACなど)と動作するようデザインされています。
●また、もしお持ちのDAPが歪みが少なく、高品質なPhone出力を備えるが、ラインアウトがないという場合には、Phone出力をPREアンプ出力として利用することも可能です。LINE入力とPREアンプ入力の切り替えは非常にユニークな特徴の一つです。私達が知る限り、ポータブルヘッドホンアンプでは最初の製品になると思います。

4.多様な入出力オプション:C9は3.5mmシングルエンド及び4.4mmバランスにおいて入力と出力のどちらにも対応しています。そしてアンプはバランス入力からシングルエンド出力、シングルエンド入力からバランス出力をも最適化しています。

●シングルエンドのポータブルインターコネクトケーブルであるCS-35C35 (3.5 to 3.5)とバランスのポータブルインターコネクトケーブルのCS-44C44 (4.4 to 4.4 with GND) が付属します。 5.交換可能なバッテリー:取り外し可能なバッテリーモジュールにはSONY製US18650VTC6 (3000mAh 3.7V) リチウムバッテリーを採用しています。18650バッテリーは充電することが出来、C9に取り付け及び取り外しが可能です。本バッテリーモジュールはUSB-Cケーブルを利用し、PD及びQC3.0充電をサポートします。

●本バッテリーは比較的容易に入手が可能なため、必要に応じて予備のバッテリーを用意するなどして再生時間を伸ばすことも可能です。
●長期間の使用により付属のバッテリーが本来のパフォーマンスを発揮しなくなった場合でもユーザー自身で容易に取り替えることが可能なため、リチウムバッテリーの寿命を気にすることなく長期に渡ってご愛用いただけるでしょう。
●バッテリーはメーカーによっては、音質に微細な違いをもたらす場合がありますが、異なるメーカーによるバッテリーを利用して音の違いを楽しむこともオーディオの一つの面白さと言えるかもしれません。